肺がんとがん性胸膜炎: 症状と治療法の概要

肺がんとがん性胸膜炎: 症状と治療法の概要

Q.質問
肺がんで胸水が溜まり、「がん性胸膜炎」と言われましたが、どういうことでしょうか?(50代 男性)
A.答え
ご心配なことと思います。
肺は「胸膜」という膜で覆われています。肺がんが進行し、胸膜に達すると、胸水が溜まり、肺が圧迫されるので、息苦しさが強くなることがあります。

胸水が多くたまると、細い管を肺の周りの空間(胸腔:きょうくう)に通して液体を抜いたり、ドレナージと言って胸腔の中に管を入れて排出させることがあります。胸水を急に取り除くと肺に問題が生じることがあるため、量が多い場合には注意して少しずつ抜くことがあります。また、特定の薬を使って胸膜を癒着させ、水が溜まりにくくする方法もあります。
主治医と、がんの進行の程度やがんに対する治療の方針を含めて相談するようにしましょう。

もし、アスベストに関わる仕事やアスベストを扱う工場の近くに住んでいた経験がある場合は、「悪性胸膜中皮腫」というがんが引き起こす胸膜炎の可能性があります。その場合は特別な治療が必要です。「悪性胸膜中皮腫」の場合は専門医が限られる場合がありますので、主治医と相談しながら、セカンドオピニオンを求めることも検討してください。

執筆者児玉 龍彦
公開日2023年10月6日
文書番号gw0281

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