肺がんの個別化治療: 遺伝子検査で見つかる分子標的薬
Q.質問
肺がんの遺伝子検査で新しい治療法が見つかる場合があると聞きましたが、遺伝子検査とはなんですか?
A.答え
肺がんの遺伝子検査は、がん細胞に特定の遺伝子変異があるかどうかを調べる検査です。これによって、効果的な分子標的薬を見つけることができます。
肺がんにはいろいろなタイプがあり、非小細胞肺がんが最も多いです。このタイプの肺がんでは、日本人の場合、EGFR遺伝子変異が約3-5割の患者さんに見られ、特定の薬が効果的です。他にもALK、ROS1、BRAF、MET、RET、NTRKといった遺伝子変異が関連する肺がんがあり、それぞれに効果的な分子標的薬があります。また、KRAS遺伝子については変異のタイプによって効く薬が開発されています、
検査を受けることができる条件がありますが、がん遺伝子パネル検査によって、これらの遺伝子変異を100種類以上まとめて調べることができます。がん遺伝子パネル検査を受けることができる病院は限られますので、次の項目を参照してください。
遺伝子変異検査は、手術や生検で採取したがん組織を使って行われます。また、採血を使ったリキッドバイオプシーという検査もありますが、がん組織を用いた場合に比べると正確性(検出率)がやや低いようです。どちらの方法でも、遺伝子変異の有無を調べることができ、適切な治療法を見つける手助けとなります。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2023年10月6日 |
文書番号 | gw0284 |
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