肺がん骨転移の症状と治療法:放射線、免疫療法、薬物療法の選択肢

肺がん骨転移の症状と治療法:放射線、免疫療法、薬物療法の選択肢

Q.質問
肺がんが骨に転移したと言われましたが、どういうことでしょうか?(50代 男性)
A.答え
心配なことと思います。
主治医とよく相談してください。肺がんが骨に転移することはしばしば認められます。特に、肋骨、胸椎、腰椎などに転移しやすいです。骨にがんが転移すると、骨がもろく折れやすくなったり、痛みが起こったり、あるいは両方の状態が起こることがあります。

X線によって骨の構造の変化を調べたり、PETやCT検査などでがんの広がりを調べます。骨や神経(脊髄など)の構造を調べるためにMRI検査が行われます。骨折の起こりやすさや痛みの程度、生活にどの程度支障があるか、がんの治療の見通しはどうか、全身状態(パフォーマンスステータスなど)、患者さんの希望など、さまざまな視点から治療の方針の検討が行われます。最近では、骨の転移による痛みや骨折を抑えるために、RANKL阻害薬に分類される薬を使うこともあります。

がんの転移による痛みや骨折といった症状を和らげるために、放射線治療が行われることもあります。骨折により身体の動きへの支障が大きい場合には、手術をする場合もあります。脊椎への転移の場合、放射線治療が効果的なことがよくあります。また、免疫チェックポイント阻害剤が効果的な場合もあります。さまざな治療法や疼痛コントロールやリハビリテーションなどの進歩により、日常生活への影響をなるべく軽減した状態を維持して過ごせるようになっています。

治療を決める際には、他の場所への転移や体調、患者さんの希望も重要です。主治医との相談だけでなく、放射線治療医や整形外科医に意見を求めることも考えるとよいでしょう。

執筆者児玉 龍彦
公開日2023年10月6日
文書番号gw0280

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