肺がんのタイプや遺伝子の変化に応じた治療の違い

肺がんのタイプや遺伝子の変化に応じた治療の違い

Q.質問
肺がんにはいくつかのタイプがあると聞きました。肺がんのタイプによって経過や治療の内容に違いがあるのでしょうか?
A.答え
肺がんの治療を考えるときには、がんのタイプを知ることが重要です。タイプによって治療の方針が変わります。

肺がんは、「小細胞がん」と「非小細胞がん」の2つに分けられます。
「小細胞がん」は全肺がんの約1−2割で、手術では治りにくく、放射線や抗がん剤を使った治療が主です。治療後も再発の有無を調べるための定期検査が必要です。

「非小細胞がん」は、肺がんの約8割を占めます。早期であれば手術で治ることもありますが、進行がんの場合は根治が難しく、継続した治療が必要になります。効果的な治療薬の候補を調べるために遺伝子変異の種類を調べる検査が一般的になってきており、非小細胞肺がんでは、がんの遺伝子変異に注目して治療薬が開発されている場合があります。有名なものでは、EGFR遺伝子があります。これらの遺伝子検査をすることで、治療に使う薬を選ぶことができる場合があります。このように、遺伝子解析をすることで、患者さんそれぞれのがんに対する治療を検討するようになり、より細かな状況に対応する個別化治療が進んできています。もともと他の部位(胃や大腸、乳腺など)で発生し、肺に転移したがんの場合、発生した臓器のがんとして治療を行います。また、アスベストを吸い込んだ人に多く発生する「悪性中皮腫」という特殊ながんがあり、肺を包む「胸膜」という膜にがんが発生することもあります。

執筆者児玉 龍彦
公開日2023年10月6日
文書番号gw0271

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