PD-L1検査: 免疫チェックポイント阻害剤の効果を判断する方法
Q.質問
肺がん治療の紹介状に「PD-L1検査」について書かれていました。この検査について教えてください。
A.答え
2018年のノーベル医学生理学賞は、免疫チェックポイント阻害剤というがん治療薬の開発に貢献した研究で、本庶佑先生とジェームズ・アリソン先生が受賞しました。この薬は、患者自身の免疫力を使ってがん細胞を攻撃し、肺がんを含めたさまざまながん(頭頸部がん、悪性黒色腫、胃がん、腎がんなど)の進行を抑える効果が期待されています。
免疫チェックポイント阻害剤のうち、PD-L1に作用する薬剤は、PD-L1タンパク質が多いがんに効果的です。そこで、手術や生検で得られた試料を使って、免疫染色という検査でPD-L1陽性の細胞の割合を調べる検査が行われます。この検査は何種類かありますが、陽性細胞の割合はTumor Proportion Score(TPS)として報告されることがあります。検査陽性の場合には、免疫チェックポイント阻害剤の効果が期待されると考えられています。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2023年10月6日 |
文書番号 | gw0287 |
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