酸素飽和度が良好でも息苦しい肺がん患者のケア
Q.質問
80歳の肺がんで療養中の父親は、指のモニターで見ると酸素飽和度はそれほど下がっていないのに、しばしば呼吸困難を訴えます。これはどういうことでしょうか?
A.答え
息苦しさを感じることは、酸素飽和度が低くない場合でもよくあります。原因を特定するために、主治医と相談することが大切です。
息苦しさの原因はいくつか考えられます。例えば、がんが体のどこかに痛みを引き起こしており、深く呼吸ができない場合があります。痛みや息苦しさに対処するために、症状に応じた対応が検討されます。また、咳や痰、誤嚥による苦しさも考えられます。精神的・心理的な不安も、呼吸が浅くなり息苦しさが増す原因となることがあります。
寝ている姿勢を楽にしたり、胸を締め付けないゆったりした衣服を着せたりすることで改善する場合があります。胸水や肺炎が原因の場合もあるため、改善しない場合や発熱や咳・痰を伴う場合などは主治医に相談しましょう。
また、部屋のホコリやタバコの匂いなどの刺激物や、急な気温変化によって息苦しさが悪化することもあります。
酸素飽和度が良好であっても、「気のせい」と判断しないで、主治医と相談し、他の症状がないかどうか、普段の様子との違いはないかなど確認しましょう。また、家族や周囲の人と協力し、なるべく本人の不安感を取り除くようサポートしてあげてください。
執筆者 | 児玉 龍彦 |
公開日 | 2023年10月6日 |
文書番号 | gw0275 |
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